雪と寒さに要注意、北海道の住宅

雪と寒さに要注意、北海道の住宅 不動産

「北海道暮らし」は憧れが強いと思います。

でも、生活の苦労や仕事など、住んでみないとわからないことがたくさんあります。

何泊かの北海道旅行だけではわかりません。

移住や転勤で北海道で暮らすことになる方へ住宅事情を紹介します。

雪国にはじめて生活する方に住宅選びの参考になればと思います。

やはり雪のことを考える

スキーやスノボでしか雪に触れたことがない

という方も多いでしょう。

雪のメリットはウインタースポーツと稲作くらいです。

雪国で暮らす人々にとって雪は厄介者です。

足元が悪くなるし交通混乱、住宅やクルマが痛みます。

札幌や旭川は除雪が必要

北海道の冬は除雪を深く考える

雪まつりで有名な札幌は豪雪地帯です。

100万人以上の都市で年間平均降雪量が5mを超えるのは、世界中でも札幌市だけです。

極寒地のイメージがあるサンクトペテルブルグ(ロシア)でも3mです。

北海道第二の都市、旭川も降雪量が4m程度なので除雪が必要です。

屋根上の雪にも注意

屋根上の雪は下ろしておくべき

屋根に降り積もった雪は、基本的に雪下ろしをしなければなりません。

近年の住宅は無落雪住宅が多いです。

耐雪設計ですが、その分、構造強度を強くしなければなりません。

資材断面を大きくしたり間柱、筋交いを追加することになります。

設計が複雑になり材料費や施工費が高くなります。

大きな積雪荷重でも損壊しない住宅は高コストなのです。

ほぼ雪が降らない地域もある

緯度を考えると北海道全域で大雪になると思い込んでいる方もいます。

釧路、帯広の道東や函館など道南の一部は、ほとんど雪が降り積もりません。

時々大雪がありますが除雪はあまり考えなくて良いと思います。

北海道で住みやすい地域ですが、寒さは厳しいです。

寒さに基準を合わせる

本州ではだいたい夏35℃、冬0℃ですよね。

北海道内陸部では夏32℃、冬-20℃になります。

気温の数字だけを見ると、北海道の夏は本州並みで冬が極端に寒くなります。

最低気温が極寒であり、一年を通じて寒さを感じる期間が長いということです。

越冬するための暖房費は?

北海道の冬の暖房といえば灯油です。

最近の住宅やマンションではガスや電気も増えてきましたが主流は今でも灯油です。

使い方や断熱性能によりますが、家族世帯は一冬に灯油代が10万円を軽く超えます。

円安や原油高による灯油の値上げは、道民の財布に痛いです。

クーラーは必要なの?

北国の暮らしにクーラーは必要なのか?

寒さだけに注目しがちですが、このごろの夏の札幌は暑くなりました。

32℃以上になることもよくあります。

以前は少なかったのですが、新築住宅にクーラー標準装備が増えました。

「さわやか」と言われた北海道の夏が多湿になってきたのも影響してます。

部屋ごとに取り付けると空調設備費用が50万円を超えたりします。

土地は安いが住宅が高い

本数と北海道の住宅の違い

寒さを最大テーマに考えなければならない北海道の住宅は保温や断熱重視です。

本州では土地2000万円、建築費2000万円で4000万とか、よく聞くのではないでしょうか?

土地500万円、建築費3500万円で合計4000万円というのが北海道の地方の住宅にあります。

土地代が安いですが、建築コストが高くなるのは何故でしょうか?

なぜ、高い(1)開口部が高断熱

北海道の住宅窓は複層ガラスが当然で三枚ガラスやLow-Eガラスも
複層が当然

熱が逃げやすい窓は断熱でとても重要です。

高気密で高断熱住宅仕様でも、窓が単板ガラスだと意味がありません。

北海道の住宅窓は複層ガラスが標準仕様です。

Low-Eガラスや三枚ガラスのサッシもあって高断熱です。

単板ガラスのサッシと三枚ガラスでは窓1枚で10万円以上の差があったりします。

それが4LDKほどの住宅ですと窓が10~15か所ありますので100万円以上の差額になります。

三枚ガラスは重いので施工費も少し上がります。

なぜ、高い(2)断熱材が寒冷地仕様

断熱資材をたくさん使う雪国住宅

壁内結露を防ぐために断熱の施工方法は様々です。

ただし、寒冷地であるほど断熱資材がたくさん必要になり、高価になることは理解できるでしょう。

グラスウールや押出発泡ポリスチレンを使います。

どちらにしても寒冷地の北海道ではかなりの量を使います。

なぜ、高い(3)基礎が深い

凍結深度が深い北海道の住宅は施工費が高い

寒冷地では地盤が凍結します。

地域により凍結深度が設定され、寒さにほぼ比例して凍結深度が深くなります。

地中まで凍るのです。

地盤が凍ると基礎が持ち上げられるので、凍結深度以下まで基礎を深く入れなければなりません。

その分、掘削、資材量、型枠量が増えて施工費が高くなります。

東京だと30cm程ですが、釧路は100cmと基礎の深さが3倍以上になるのです。

なぜ、高い(4)設計が多雪仕様になる

重複しますが無落雪屋根だと耐雪設計にしなければなりません。

その分、強度がある設計になり資材をたくさん使います。

多雪地域の住宅はメンテナンス頻度も増えます。

長期にわたり荷重がかかる積雪は建物に負担をかけ、外装や塗装を劣化させたりします。

雪国の住宅費はどうしても高価になります。

北海道暮らしを快適に過ごすために

雪国の暮らしは「寒さ」と「雪」の二大テーマで考えます。

真冬の雪の状況は?

除雪が何とかなるにしても、雪たい積場を確保していますか?

年間積雪量を調べて雪捨て場を確保する必要があります。

北海道の住宅街を見て一戸当たりの面積が広いと感じませんか?

豪雪地だと70坪の敷地面積は普通です。

広く使って贅沢に見えますが、雪捨て場に必要な敷地なのです。

水道配管凍結に注意

凍結は基礎だけではありません。

氷点下になると水道管が破裂して破損する恐れがあります。

記録的な寒波が来ると、備えがある雪国水道設備でも破損が相次ぎます。

バスやトイレが使えない非常事態です。

修理の事や寒波予報がある時にどうすれば良いのか?

考えておく必要があります。

クルマの事も忘れずに

通勤で使う自動車駐車場の除雪も忘れずに

雪国のクルマは四輪駆動が当たり前です。

冬の坂道では滑りますし雪にはまってしまうこともあり得ます。

スタッドレスタイヤが必需品なので、交換した4本のタイヤの保管場所が必要です。

物置やレンタル倉庫を利用することになります。

駐車場の除雪にも気を配る必要があります。

意外と気づかない盲点です。

必要な所にお金をかけた住宅を

雪国の住宅は確かに高価です。

コストを下げれば断熱効果が低い住宅になります。

低断熱住宅だと暖房費がかさみランニングコストが上昇し、室内がいつも寒いので快適性が失われます。

賃貸物件探しや新築住宅購入の参考になれば幸いです。

最初に窓サッシを見てしまいます

私ならサッシに一番注目します。

東京のホテルの窓からすきま風が入ってくるのに驚いたことがあります。

それほど安ホテルでないのに…です。

北海道の住宅ではまずあり得ません。

一概には言えませんが窓サッシにお金をかけて施工が適切であれば、他の断熱部分にも気を配った設計であることが多いです。

室温は24℃でも窓から冷気が来るとなぜか快適に過ごせません。

ですから窓サッシの状態が気になるのです。

ぜひ、ご参考に。

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