なかなか売れない山林、少ない売買数

山林土地は売買が少ないのは何故?不動産

山林を買うのはなんか怖くない?…

探してるが、売り山林の物件数が少なくて…

山林の売買数は宅地と比べて、とても少ないです。

それでもキャンプブームもあり、山林を買いたい人や欲しい人がいるはずです。

検索しても宅地のようには物件がたくさん出てきませんよね?

山林の価格もわからず、トラブルも潜んでいます。

山林売買がいまいち盛んでない理由を考えてみました。

山林の値段

高額で取引される広葉樹丸太。家具の原料になることが多い。
高額な広葉樹丸太

山林土地がヘクタール何百円…

って、聞いた事ありませんか?

宅地では考えられない安い土地単価です。

山林は上下水道がないですし、電気も来ていません。

道路も自分で作らなければいけません。

ライフラインが未整備の土地といえます。

山林土地は丸太の栽培地だった

日本の山林の歴史を見ると、山林の役割は人工林として立木を栽培する木材資源の生産地でした。

輸入材との価格競争で負け続けた国内林業は、衰退産業として撤退縮小が続きました。

林業への参入者が少なくなり、山林需要も減少していきました。

需要が減ると価格下落が続き、取引数も減ります。

山林土地が低価格なのは国内林業不振と強い関連があります。

土地+立木=山林価値

あらゆる不動産価格の中で山林の取引価格は安価です。

時々、不動産鑑定士、司法書士から立木の評価額について意見を求められることがあります。

相続などで山林の時価を付けなければならないのです。

山林の値段は過去取引などからある程度、推察できます。

今の立木価値は、時価で売買する木材事業者でないと評価額がわかりません。

山林土地の価値はほぼゼロ、しかし、そこに存在する立木は数百万円の価値!

ということもあります。

空家問題よりひどいかも…不明山林

何十年も放置されてる山林が多い

「持ち主がわからない」「所有者が行方不明」などが空家問題でよく話題になりますよね。

山林は面積が広く売買取引が少ないので、より問題が深刻です。

放置された山奥では不法投棄や、勝手に伐採、盛土されたりと、広域的に悪影響が出始めてます。

所有者不明

登記簿では森林所有者が不明なことが多いです。

複数所有者の場合は、全員が不明ということです。

法人が倒産や廃業してしまい権利関係がわからなくなっていることも含めます。

共有者不明

一部の所有者が判明しているものの、他にも共有所有者が存在するケースです。

相続すべきなのに遺産分割協議せず、実質所有者の一部が不明だったりする場合です。

適切に遺産相続されていないと、共有者が数十人、数百人になっていることも珍しくないです。

特例措置が

共有者不明、所有者不明の森林は長年放置されてきました。

2024年4月から相続登記の義務化が施行されます。

それに先立ち森林経営管理法において、所有共有者不明森林にも特例措置が開始されてます。

市町村が探索して不明な場合、一定期間公告してから森林計画をたて権利を設定するというものです。

これにより少しずつですが長期的視点で、山林所有者が判明し管理が進むと思われます。

林地の取引数が少ない理由

図面はあるが現地と現況が異なることが多い

地域の森林組合が保有している森林計画図には境界や林道が記載されてます。

一方、土地の登記に付属される公図にも林地境界があります。

森林計画図と公図の境界は、一致しないことがよくあります。

境界が不明

山林の境界はあいまいです。

GPS、森林計画図、公図、現地、それぞれの示す境界が違ったりします。

山崩れや風化して山林土地形状が変わっていることがあります。

のちのトラブルを避けるために、境界不明土地は買ってくれません。

宅地だって土地境界線不明だと誰も買いません…。

買い手が山林売買を避ける動機になります。

立木価値がほぼ無い

強風で倒れた木を風倒木という
風倒木

書類上は「良質な木がある山林だなぁ…」と思ったら、現地は全く違うことがあります。

現地調査をすると、森林簿に記録されている樹木の本来価値がないのです。

倒れてたり…搬出コストが膨大だったり…

費用が収入を上回り赤字にあることもよくある

風倒木と呼ばれ、台風などの強風で木が折れたり倒れたりしてることがあります。

菌や虫害でエリア内の立木が腐り枯損木になっていることがあります。

土砂災害により整備した林道が崩れて使えなくなってることがあります。

素材丸太搬出のために道路は欠かせません。

林道を新設するには多額の費用を持ち出すことになります。

林道新設費用が高額だと、高価値の立木があっても採算がとれません。

整備された林道が使用禁止も…

林道は個人で管理所有していることが多い

隣接する山林所有者間のトラブルもあります。

林道は共同利用や個人の私費で作った個人所有林道もあります。

隣地の私設林道を拝借できれば搬出コストをかなり抑えることができたりします。

しかし、険悪な仲で使用禁止にされるケースもよくあります。

山地主
山地主

隣のあの人は、勝手にウチの林道を使って挨拶もない!

ことわりなく林道を使ったとか道路を壊した等、過去のトラブルは様々です。

隣地トラブルは宅地でも悪影響です。

すぐに林道が使えないのは山林価値を下げることになります。

占有者がいる

他者が勝手に林道をつくったり、畑にしていることもあります。

自分の所有地と言わんばかりに、他人の林道に施錠している占有者も見たことがあります。

時効の成立もあり得るので、山林に占有者がいると法的手続きが必要です。

時間と手間が必要になるので、買主が売買を避ける動機になります。

盗伐されてることも

勝手に他人の木を伐る盗伐被害もあります
盗伐者
盗伐者

山林は誰も見てないから盗みやすい!

仮に見られても泥棒と思われない!

現地に行くと、自分の山林土地にあるはずの立木が何も無かったということがあります。

誰かが勝手に伐採している可能性があります。

山奥で盗伐されるのは誰も見ていません。

さらに盗伐は堂々と実行されても普通の伐採に見えて、気づかれにくいのです。

注目されてきた山林土地

これまでの山林価値は、素材丸太の生産地としてのみ考えられてきました。

しかし、時代の変化で山林に新しい価値が産まれてきそうです。

排出権取引

脱炭素のカーボンニュートラルで、植林が注目されてます。

ルールにより工場などでCO2を出す企業は、それを吸収する活動をしなければなりません。

植林することはCO2を吸収していると考えられます。

排出権取引が拡大してくことで植林する山林が必要になるのです。

この仕組みは、これからの山林の役割に直接的に新しい価値が追加されたと見れます。

水資源を狙う外国資本

かなり前から話題になっていた水資源目的の山林買収

すでに何年も前から外国人や外国資本企業が日本の山林を買収し続けてます。

買収面積は減る兆しがなく、むしろ増加傾向です。

最近の円安は、その動きを加速させるでしょう。

土地所有権の制限や権利関係があいまいな国が多い中で、日本は登記すれば土地所有権が保護されるのも狙われる要因です。

キャンプブームの余波

キャンプから山林所有へ流れる方も

長年のキャンプブームで、もはやブームではなく定着化してきたようにも見えます。

その延長で自分の山林を所有したいという要望が高まっています。

リモートワークもあり、田舎暮らしや小屋暮らし指向も根強くあります。

「山林に住む」というライフスタイルが増えてます。

若い人や退職者の一定数が山林物件を物色しているのは確かです。

そして、それは増加傾向です。

取引数や面積が増える?

カーボンニュートラルで植林が促進されます。新しい山林の価値が生まれてきました。
植栽がすすむ山林

特例措置がどこまで取引数に影響するかは未知数です。

しかし、これまでより増えるのは確実です。

取引数が増えれば価格が安定し、適正価格が見えてくるでしょう。

ただし、これまで山林所有したことがない人は山林購入に注意が必要です。

山林も土地所有です

土地所有者は管理責任が生じます。

山林も同じです。

災害が発生したり不法投棄や予期せぬ侵入者もあり得ます。

土地所有者にはそれらに対処する一定の義務があることを忘れてはなりません。

山林も固定資産なので課税されます。

納税する資力確保も大切です。

山林はすぐに売れない

売買の取引数が増えると思いますが、それでも山林土地売買は不動産取引数では多いとは言えません。

「売りたい時にすぐに売れない…」と思っていてください。

場合によっては、売却に5年以上待つこともあるでしょう。

希望の価格で売却できないことも考えられます。

誰でも所有できるが規制も理解しよう

農地法の売買規制がある農地とは違い、山林は誰でも買うことができます。

ただ、伐採や土地形状変更を規制する関連法律がいくつかあります。

自分の山林であっても伐採できない保安林指定も知っておくべきです。

鳥獣保護の規制もあり、山崩れを引き起こす盛土などの地形変更も制限されてます。

森林には涵養など公益的な役割があります。

もし、山火事が起きると大災害につながる恐れもあります。

いくら自分の山林でも何でもできるわけではありません。

多くの人々の不利益につながる可能性があると、山林には利用制限があることを理解しておきましょう。

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