もし、あなたが山林を所有しているなら「立木(樹木)が売れないか?」と考えたことはありませんか?
親類が山林を持っている、もしくはご自身が所有していても「利用法」が思い浮かばなかったり、固定資産税など維持費が気になったりします。
相続や譲渡であなたが山林を所有する可能性もあります。

立木の買取価格がどうやって決まるのか?
買取価格を決定する要素を知ることが大事です。
立木の買取価格を業者が査定するのは立木の状態だけではなく、搬出や納品先、その時の市況など、山林の状態や経済環境で総合的に判断することになります。
立木の価格は様々な条件によって買取価格が変動します。
立木買取価格に影響する5つの要素
1:木の種類(樹種)
立木の種類で丸太にした時の価値が変わります。
一口に立木と言っても丸太から加工して材木使用するには、いろいろな使用用途があります。
まず、大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」に分かれます。

北海道で言うと針葉樹はカラマツ・トドマツなどで、広葉樹の中では、ナラ・タモ・イタヤなどが代表的です。
針葉樹は、主に建材やパレット材料、梱包材料、住宅建材、土木仮設資材等に使用されます。
広葉樹は、フローリングや家具製品などの部材に加工して使用され、高級な住宅のお風呂などで「総檜造り」と呼ばれたりもしますが、一部の材木は高価になる可能性もあります。
2:木の状態・相場
立木の状態は曲がりや太さなどで加工に適しているかどうかや、枝や節の有無や腐朽など木の状態によって評価されます。
スタバの大きなテーブル面の無垢の木板は、テーブル幅があるので太い大径木が必要ですし、フローリングに使用される木材は、太くなくてもいいですが”節”が少ない方が高価です。
また、 現在では海外産の建材も多く輸入されており、木材の相場は為替や政治経済情勢で日々変動していきます。
しかし、こだわって日本産の木を使いたいという買い手はまだまだ存在します。
3:林道(搬出経路)の状況
伐採作業で最も重要な1つが「林道」です。
林道は単に山を通るためだけの道路ではなく、林業においては伐採した木を運ぶための搬出口になります。
道路がきっちりと整備されていれば伐採から搬出が安全でスムーズに行えるので、長期的な目線で山林に道路整備を行う必要があります。

搬出道路の整備は周囲への配慮も欠かせません。
林道には植林区画によって他者と共同使用する道路があり、伐採する上で非常に大切な”山林の幹線道路”となってます。
共有林道を損壊した時は補修する義務があり、賠償責任が必要なこともあります。
乗用車で通行できても、丸太を積載した重いトラックでは通行できない林道もあります。
丸太搬出で使用できるのか事前に調べなければいけません。
近隣住民への騒音対策や通行の配慮、一般の公共道路への作業許認可が必要なこともあり道路汚れ対策も考える必要があります。
地域によっては農地牧草採取地、シカ防止柵、鳥獣保護地区、電線などの付近での作業に許可と確認を取らなくてはいけません。
4:境界線
住宅地ですと隣地境界線に「石杭」と呼ばれる敷地の境界を示す目印があります。
山林も地面は土地なので隣地は別の所有者がいます。
隣地境界が判明していないのに伐採作業を開始すると、他人の財産(立木)も伐採する可能性が高く、後で訴訟となり高額の賠償金を支払うことになります。
「山を見に行ったことがない」という方は現地の境界を説明できません。
面積にもよりますが山林の測量費用は数十万円かかります。
”所有の境界が判明しているか”は大きなポイントで、慎重に調べる必要があります。
5: 地形
山林における地形は、効率よく伐採搬出作業できる環境であれば条件がプラスになります。
崖の上や泥炭地、水路があったり、岩盤や土砂崩れ発生地等さまざまな山林地形が存在します。
雪が降らないと作業できない所や、水はけが悪く地面が凍らないと行くことができない山林もあります。
所有している山林の地形が伐採にどこまで適しているかは、立木買取や伐採を行なっている専門業者に聞くのが一番良い方法です。
地域や土地によって変化するポイントなので、実際に現場を見て判断することになります。
まとめ、山林の状態把握と整備が大切
搬出作業条件+立木価値
立木伐採を行う上で環境が整っていれば好条件になりますが、全く整備されていない山林から伐採した立木を運び出すという作業には大きな負担がかかってしまいます。
環境条件が悪ければ丸太にした時の価値より立木伐採搬出費用のほうが高額になることもあり、山林に手を付けられないこともあります。
同じ丸太でも山林の環境に応じて価格変動がすることを覚えておくと良いでしょう。

整備が必要
しっかりと伐採事業用に整備された山林の立木は価値が出やすい傾向にあります。
逆にこれまで放置されてきた山林でも条件さえ揃えば、高価な立木となり山林価値が上がる可能性もあります。
農地同様に山林も立木生産のためには整備が必要なのです。
特に道路がとても重要で整備されていればいつでも伐採、植林育林できる環境となり、経済林としての価値も高くなるでしょう。
伐採作業の条件が専門業者の査定対象ポイントになるので覚えておくと役立つと思います。